お子様の矯正について
お子様の矯正とは
お父さまお母さまが、矯正治療に期待されるものはいったいどんなことでしょうか?
最愛の我が子に、白くて美しい健康な歯並びを持たせてあげたい。
その先に、好印象でたくさんの人に愛され、社会の一員として働き成功したり、自分の夢や考えを形にして実現することができる健康な身体をもつことであったり、自信をもっていろいろな人とコミュニケーションをとることで自分の世界を広げたり・・・。
そんな未来が子どもたちに訪れるといいですよね。
子どもたちが、健やかで幸せな未来を迎えられるお手伝いが少しでもできればと思います。
小児矯正のⅠ期治療・Ⅱ期治療
Ⅰ期治療
Ⅰ期治療の一番の目的は正しい噛み合わせを形成するための土台を作ることです。よい歯並びのためには、あごの骨がしっかり育つことが大事で、あごの骨が正常に育つには、心と身体の良好な発達発育が不可欠です。この時期の治療は、歯だけではなく、全身の成長について診て行くことがポイントで、将来的な歯並びや噛み合わせの悪化を予防するのはもちろん、見た目の問題だけでなく、お子様の健やかな心身の成長に繋がる治療を計画します。
一般的にⅠ期治療は3歳くらいから開始可能ですが、必ずしも早めの治療が適切とは限りません。Ⅰ期治療の必要性は自己判断できないため、保護者の希望や子どもの具体的な症例を踏まえて精密検査を行い、カウンセリングや診断を通して治療方法を見極める必要があります。
先天的な欠損歯や埋伏歯など、検査しないと分からない症例もあるため、気になる点があれば早めにご相談ください。
Ⅰ期治療の期間は症状や開始時期によって異なりますが、おおむね2~4年程度を見込んで行われることが多いです。
Ⅱ期治療
小児矯正のⅡ期治療は、永久歯がすべて生え揃った後に行われる矯正治療です。
基本的に成人矯正と同様の方法が採用されます。
Ⅱ期治療では、永久歯の位置を適切に調整し、美しい歯並びと噛み合わせを実現することが目的です。
Ⅰ期治療を経ている場合、永久歯はおおむね正しい位置に並びます。
そのため、Ⅱ期治療では永久歯の抜歯なしに歯並びを整えることもあります。
永久歯が完全に生え揃う時期は、一般的に第2大臼歯(12歳臼歯)が萌出する頃、すなわち小学校高学年から中学生(12~14歳)の間です。
Ⅱ期治療はこの時期以降に開始されます。
顎骨の成長が順調な場合、Ⅰ期治療を行わずに直接Ⅱ期治療を開始することもあります。
Ⅱ期治療の期間は症状によって異なりますが、一般的には1~3年程度です。
小児矯正のメリット
歯が動きやすい
成長期にある子どもは骨が軟らかいため、歯が動きやすく、矯正治療がスムーズに進みます。
このため、治療期間も短縮されることが多いです。
将来的に抜歯をする可能性が低くなる
子どものうちに歯が生える方向をコントロールすることで、永久歯がきれいに生え揃います。
その結果、大人になってから抜歯をする必要が減る可能性があります。
治療への順応性が高い
子どもは適応能力に優れているため、矯正装置に早く慣れます。
これにより、身体的なストレスを感じる期間が短くなる傾向があります。
期間が短くて済む
子どものうちに矯正治療を始めると、全ての永久歯が生え揃ってから行う大人の矯正よりも短期間で治療が終わることが多いです。
呼吸、発音の改善・風邪を引きにくくなる
歯並びと呼吸、発音には深い関係があります。
呼吸を助ける装置により、鼻の通りが良くなったり、発音が改善されたりするケースがあります。
自然と口を閉じる習慣がつくことで、表情も豊かになり、お顔の成長や歯並びに良い影響を与えます。喉の乾燥が減るため、風邪を引きにくくなるというメリットもあすあるようです。
小児矯正のデメリット
虫歯を発症しやすい
固定式の矯正装置をつける場合、歯ブラシでしっかりとケアをしないと虫歯になるリスクが高まります。
特に子どもは歯磨きが苦手なことが多いため、しっかりとしたブラッシング方法を身につけ、歯磨きと健康的な食生活を習慣化することが重要です。
矯正装置が目立つ
子どもの成長過程や症状に合わせた矯正装置を使用しますが、ワイヤー矯正などは装置が目立ちます。
見た目を気にする年頃の子どもにとっては、これがストレスになることがあります。
将来的に再度矯正治療をする可能性が残る
小児矯正治療だけではきれいな歯並びにならない場合、大人になってから再度矯正治療が必要になることがあります。
成長に伴い、顎や歯の位置が変わるため、完全に理想の歯並びを維持するためには追加の治療が必要になることがあります。
お子様の協力が必要となる
小児矯正では、自分で取り外しするタイプの装置を使用することが多いです。
そのため、子ども自身が積極的に治療に取り組まないと、良い結果が得られにくくなります。
保護者の意向で治療が始まることが多いため、歯科医師や歯科衛生士だけでなく、家族のサポートも重要です。
子どもの歯並びが悪くなる原因
遺伝
子どもの顔立ちや体格が親や祖父母に似るように、歯やあごの大きさも遺伝の影響を受けます。
例えば、親のどちらかが受け口の場合、子どもも同じような特徴を受け継ぐ可能性があります。
しかし、遺伝だけが歯並びを決定するわけではありません。
生活習慣も大きく関係しているため、親の歯並びが整っていても、家庭での生活習慣が悪いと歯並びが乱れることがあります。普段の姿勢、睡眠、食生活が子どもたちを形作ります。治療を進めるうえでとても大事なポイントの一つです。
虫歯の放置
「乳歯が虫歯になっても、どうせ永久歯に生え変わるから大丈夫」という考えは危険です。乳歯が虫歯で大きな穴が開いたり、歯の頭がなくなったりすると、周囲の歯が傾いてしまい、後から生える永久歯の歯並びが悪くなることがあります。
乳歯の虫歯は放置せず、早めに治療することが重要です。
生活習慣
子どもの歯並びには生活習慣も大きく影響します。
以下のような行為は歯並びやお顔の育ちを悪化させている可能性があります。
ただ、悪い癖だと子供たちを責めるのは一旦ストップです。お子様にとってその行為が必要、もしくはそのような行為しか、姿勢しかとれない身体になっている可能性もあります。原因をよくよく探って、必要であればお助け装置を使ったり、ご家族が一緒にデジタル時間を減らしたり、工夫することも大事です。
- 指しゃぶり
- ソファーにもたれる
- 舌で前歯を押す
- スマホ・タブレットを同じ姿勢で長時間操作する
- 爪や下唇を噛む
- 足を組む
- うつぶせ寝
- 口いっぱいにごはんを詰め込む
- 頬杖
- 硬いものを好んで食べる
口呼吸
口呼吸も歯並びの乱れを引き起こす要因の一つです。
舌は上あごの歯列を広げる役割がありますが、舌が下に位置すると下あごの歯列を広げてしまい、上下のあごのバランスが崩れて歯並びが悪くなります。
よい鼻呼吸には上あごの形がとても大切なので、上あごに鼻呼吸を促すお助け装置を使います。
矯正治療を行うべき歯並び
上顎前突(出っ歯)
上の歯が下の歯よりもかなり前に出ている状態を「上顎前突」と言います。
一般的には「出っ歯」と呼ばれ、見た目だけでなく、噛み合わせや発音にも影響を与えることがあります。
下顎前突(受け口)
下の歯が上の歯よりも前に出ている状態を「下顎前突」と言います。
一般的には「受け口」と呼ばれます。
この状態では、食事や発音に支障をきたすことがあります。
叢生
歯が大きい、あるいは顎が小さいために、歯がきれいに並ぶためのスペースが不足している状態を「叢生」と言います。
これにより、八重歯や歯並びのガタガタが生じます。
叢生は、見た目だけでなく、歯磨きがしにくくなるため虫歯や歯周病のリスクも高まります。
過蓋咬合
上の歯列が下の歯列に大きく被さり、下の前歯がほとんど見えなくなる状態を「過蓋咬合」と言います。
この状態では、噛み合わせの問題や顎関節の問題を引き起こすことがあります。
開咬
上下の奥歯を噛み合わせても、前歯が閉じきれない状態を「開咬」と言います。
この状態では、食べ物を噛み切るのが難しくなり、発音にも影響が出ることがあります。
歯が生えていないときからでもご相談ください
美しい歯並びを実現するために、歯が生えそろう前からできることがあります。
当院では、育児に関する小さな疑問から、お子様の発達段階に合わせた予防策まで、幅広くサポートさせていただきます。
歯が生えていないときから正しい取り組みを行うことで、将来お子様に矯正治療をしなくてもよくなる可能性があります。
どんな小さなお悩みでも構いません。
お気軽にご相談ください。
当院の小児矯正について
当院の小児矯正では、個別の状態に合わせて、最適な矯正方法を選択し、さまざまな矯正装置を用いながら治療を進めていきます。
単に歯並びを矯正するだけではなく、「できる限り矯正装置が必要ないように」という思いを込めて、治療の前段階である「土台作り」にも力を注いでいます。
この土台作りは、お子様が成長する中で、健康な歯並びや噛み合わせをしっかりと支える基礎を築くために非常に重要です。
矯正装置を使わずに、歯並びを整えることができる可能性があるのが小児矯正ならではの特徴です。
お子様の歯並びでお悩みの方は、ぜひ当院にご相談ください。